fc2ブログ

記事一覧

旅立ちの日に

78ee2cce.JPG 4年前、おっさんばかりの我が山麓に、「入団希望」という少年が現れました。当時18歳の彼は、工業高等専門学校の3年生。
 中学時代に混声合唱に出会い、仲間内の男子だけで歌ったのが「初めての男声合唱」だそうです。その後、進学した高専には合唱部が無かったため、やむなく別の体育系サークルで過ごしていたものの、男声合唱への想いを断ち難く、ネット上で調べて我が団を選んでくれました。
 そして、自分が探し当てた男声合唱団の常任指揮者が、自分の通う学校の教授だったと知って2度びっくり…ということだったのです。
 山麓史上2人目の学生団員として、最年少記録を塗り替えた彼は、弱体なトップテナーでの過酷な試練(絶対数が少ないので、ルーキーも最初からあてにされる)にくじけることなく、持ち前の屈強な臥体と、その風貌には似つかわしくない真面目さで、みるみるうちに成長しました。
 本来なら、まさに「これからが楽しみ」な時期にさしかかったところなのですが、今春、「ついに」卒業の時を迎え、旅立っていくことになりました。
 彼には、入団時に、私がセレクトした男声合唱の定番曲のベスト盤CDを進呈しました。
 彼は、私が大学生として「草野心平の詩から」」(多田武彦作曲)や、「青いメッセージ」(高嶋みどり作曲)を歌っていた頃に産まれた、という親子ほど離れた世代でありながら、「タダタケの神髄」に惚れこみ、他のスタンダードも、「U-Boj」や「斉太郎節」を口ずさむ、熱い「男声合唱野郎」になってくれました。
 そんな彼は、4月からは千歳市の自動車部品メーカーに就職が内定。エンジニアとして働くことになっています。幸いなことに、そう遠くへ行くわけではないので、今後も「地方団員」として、大きなステージには一緒に立ってもらえるでしょうが、いわば「区切り」として、ささやかな宴を催しました。
 時節柄、恩師である常任指揮者、可愛がってもらった常任伴奏者、同じパートで師と仰いだ副団長が出席できず、彼としては多少寂しさは残ったかもしれませんが、彼の門出を祝う趣旨の集まりとしては、まずまずだったのではと思います。
 男声合唱が「絶滅危惧種」となっている今、彼の夢は「職場の有志を集めて男声合唱団を作る」こと。
 まさに「これからの人」である彼の前途を、ささやかな期待と大きな希望を持って、心から応援しよう。
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

事務局長

Author:事務局長
「大学に行ったら落研に入ろう」というつもりでいたのに、進学先には落語研究会がなく、男ばかりの男声合唱団に引きずり込まれて数十年。
社会人になってからも「生涯の趣味」として今もゆる~く奮闘中。
酷寒の片田舎で零細男声合唱団の番頭を務めている。